1)個人のプロフィール
名前: 任春生
1996年南京農業大学日本語科入学
2000年北京外国語大学日本学研究センター入学
2003年中国国際放送局入局 アナウンサー、記者
在学中の受賞歴: 国家一、二、三等奨学金 外国語学院弁論大会最優秀賞
勤務中、中国国際放送学会作品賞一、二、三賞受賞、放送関係の論文4本発表、本や映像作品の共同翻訳が多数
中国の指導者や日本の政治家、実業家への取材が多数
任春生アナの番組のアドレスは http://japanese.cri.cn/781/2009/08/26/Zt1s145888.htm
是非アクセスしてください。
2)インタビュー
大学及び専攻選択について
1-1. 入学はいつでしたか?南京農業大学日本語学部を選んだ理由を聞かせてください。
1996年9月に入学。入試前は南京農業大学経済学院の通貨銀行学という専攻を目指しましたが、入試点数が足りない関係か、日本語学科に進学しました。
1-2南京農業大学日本語学部にいた時の学習環境はいかがだったでしょうか?
1996年、日本語科の学部生の募集は初めてということで、先生の人数が少なく、日本語関係の図書も少なく、最初は、あまりよくなかったと思います。この中で、日本語学部の秦礼君主任のおかげで、2-3年後、ハードウェアが徐々に整備され、LL教室も設置されて、助かりました。
1-3.日本語を学んでから何年間になりますか。学習歴について簡単にご紹介いただけますか?
1996年イロハから始まり、今も毎日日本語を使い、勉強しているため、ちょうど20年になっていますね。南京農業大学を卒業して、北京外国語大学日本学研究センターの社会学専攻の大学院生になりました。途中、国費留学生として茨城大学の人文学院で研修して、半年間で高齢者の在宅介護というテーマで修士論文を書き上げて、帰国後提出しました。今は学位がマスターです。
日本語学習について
2-1.その時、毎日どのように日本語を勉強してきましたか?
実は高校時代は、英語が得意なため、北京外国語大学をずっと目指していましたが、数学は下手なので、なかなかその大学には進学できなかったのです。南京農業大学に入り、一年生だったときに、李紅先生が北京外国語大学日本学研究センターの情報を教えてくれて、そこの大学院生になろうと決心して、猛勉強の毎日を送っていました。1年生から4年生まで、ほとんど毎朝、ラジオ体操が終わってから、図書館の裏側の金木犀の林で大声で教科書を朗読し、暗誦しました。昼間は日本語の授業ですね。夕方ぐらいは、また、図書館付近で、日本のNHKの海外ラジオ放送を受信して聞き取り練習をしました。日本語のテープ(例えば貫通日本語)を買って、WALKMANで聞いたりしていました。毎日は怠らずに、このような勉強生活を繰り返しています。多分、夢があるから、つまらないなんてあまり感じていませんでした。3年生と4年生の頃から、成春有先生に恵まれ、成先生は、授業中だけではなく、大学院受験用の資料をたくさん貸してくださったり、指導してくださったりしていました。また、時々、夢のなかでも日本語で寝言を言ったりして、寝室でほかの5人にけっこう迷惑をおかけしたと思いますが、この場を借りて、皆さんにお詫びします。
2-2日本語の勉強について、一番難しいと思っていることは何でしょうか。それをどのように乗り越えたのですか。
発音の中で促音とか、文法とか、決まり文句とか、大量の単語の暗誦とか全部難しいと思います。興味や情熱がなければ、ささやかな困難でも乗り越えられないと思いますね。僕は、多少、外国語の勉強に才能をもっています。その上に、興味もあり、大学院生になると目標もあり、一生懸命本や教科書を読んで暗誦して、自然にいい成績を取っていました。それ以外のことはあまり考えたことがありませんでした。
2-3日本語に対する情熱はどこから来たのですか。勉強し始める前ですか、それともしてからですか。もし後者だったら、何に引かれたんですか。日本語の魅力はどこにあると思いますか。
やはり、北京外国語大学の大学院への進学という目的からきただろうかと思いますね。もう一つは、中学校から英語が得意なので、言語が好きだというとこともありますね。日本語がとても繊細な言語で、同じ意味でも多くの表現方法があります。その魅力は、置かれた環境で相手の心を察して、緊張しながら適切な言葉遣いを選ぶことにあるかと思います。
2-4普段日本語を話すチャンスが少ないが、日本語らしい日本語になるためにどうのように勉強すればいいと思っていますか。
この難題は、在学中に結構悩んでいました。解決策は、良い日本語の文章を朗読したり暗誦したりしていたことです。そのほか、ラジオやテープなどを繰り返して聞くことでした。今は、ネットにアクセスして、日本の映画やテレビドラマを見たり、いろいろな日本語の情報を検索したりすることができますね。これは学生諸君が今の時代に恵まれています。ただ、どんな内容でも1回だけではなく、いい内容はやはり繰り返して、暗誦したり覚えたりして、自分のものにしてください。そうすれば、日本語で話を交わすときに、自然にそれ言い回しが出てきます。それは一番いいです。
就職について
3-2今までどんな仕事をなさっていましたか。仕事で一番難しいと思ったことは何でしょうか。
2003年からずっと中国国際放送局で働いています。長年中国の社会とか、中国の経済、中国の旅とかのレギュラ番組を担当しているから、新しいラジオ番組作りは難しいと思います。そして取材の時に、相手の本音を聞きだすことは難しいかと思います。
3-3.今の就職環境はいかがでしょうか。外国語専攻の学生にとっては難しいと思いますか。
日本語だと、ご周知の通り、近年両国関係がギクシャクしている中で、また、中国は経済構造改革が進んでいる中で、日系企業の中国への進出や投資などが鈍化していますね。このため、日系企業の雇用チャンスが多少減るかと思いますが、優秀な人材はその心配がありません。外国語専攻の学生はそのほか、経済学などの専門性をもつ知識を常に勉強して貯めていたほうがいいと思います。言語はあくまでもコミュニケーションの道具なので、できるだけ専門性のある仕事をしたほうがいいです。
4-1今現在の日本語学習は、主な就職道はどこにあると思いますか。
企業、国家機関、研究機関、メディア、大学などです。
4-2日系企業での就職はいかがですか。もし希望通りの仕事を見つけることができなければ、日本語関係の仕事をやめてもいいと思いますか。
先ほども言いましたが、専門性のある分野で仕事をしてほしい、日系企業だけではなくて、企業全般でもいいと思います。近年、国内企業の実力も強くなり、国内企業でも日本語がわかる人材も結構募集しています。実力があれば、その仕事に興味があれば、新しい職場で日本語を使わなくてもいいじゃないかと思います。
4-3.就職について、後輩たちに何かアドバイスがありますか。
在学中いろいろなところで実習していて、経験を積むと同時に、将来どんな仕事をやるかを探してください。
就職の場合は、単なる交流の架け橋なんかの考え方をやめて、具体的な分野、例えば、法律、経済金融、貿易、メディア、自動車メーカなどの企業、興味がある分野で仕事をすればいいと思います。
5-1南京農業大学は “211工程”大学であるとはいえ、外国語専門の大学ではありません。雇用者は大学のレベルと、専門のレベルと、どちらが大切に思うのでしょうか。
優秀な学生、実力のある学生、例えば日本語のほか、パソコンに精通していろいろなソフトを使いこなすとか、英語も得意とか、それはどこで仕事をしても大切にされますよし、早い内に抜擢されるはずです。
5-2成績が良いことや、班長さんなどの学生幹部を担当する経験は、今後の就職活動に役立てると思いますか。
もちろん、役立ちますね。在学中、成績が良いことは頭がいいということの証明です。その上に、学生幹部を勤め、大学の資源、社会的な資源を利用しながら、キャンパスでも社会でもイベントや活動などを企画して、視野も広がり、能力もきっと上がると思います。
留学と大学院に入ることについて
6-1院生になったのは(就職などに)優位性があると思いますか。
一概には言えません。もともと大学院生になることはこれから研究を目指すということですが、大学院卒業生としては、多少視野が広がり、考え方がさらに深くて、開放的になるではないかと思います。しかし、企業や会社に入るとか、仕事の経験が上述のものより大切な場合は、やはり学部卒業してからすぐ就職すればいいと思います。
6-2日本語の学習には留学が必要ですか。
留学がとても大切で必要です。
伝言と希望
7.後輩たちに何か言いたいことがあるでしょうか。
人生で夢を追いかけるならば、絶対に後悔しない。がんばってください。